希色の世界
原発事故による土壌の汚染を除去するために、植物を植えるニュースを目にした。
「いのちのない場所に色はない」
この言葉がずっと心に残っていた。
私が切り絵によるコラージュ絵画を制作するようになったのは、
季節の草花や身近な人々の笑顔を
コツコツ日記のように描く習慣がきっかけだった。
「桜が散る前に」「銀杏が散る前に」と外に出て季節の色を確認することは、
自然と自分が絵を描くきっかけになっていた。
今改めて、目の前にある色その一つ一つが、
どんなに大切な存在かを実感している。
色とりどりの草花と人々の笑顔に溢れた世界を、
私は「希色(きいろ)の世界」とよぶ。
そこには、未来への純粋な希望がある。
今まで描いてきた「希色の世界」をここで展示してみたいと思った。
人物画はリアルな親近感を出すために、身近な人にモデルになってもらった。